himac APPLICATION
No.83 MARCH 1997
  • 機種:CS150/120GX形分離用小形超遠心機
  • S120NT形ネオアングルロータによるRNAの分離

S120NT形ネオアングルロータを用いたtotal-RNAの分離については、すでにhimac APPLICATION No.55にて1.5時間で分離できることを示しました。しかし、ここでは更なる時間短縮の可能性について検討しました。その結果、120,000rpm、30分程度の遠心でも分離可能であることがわかりました。

分離結果

ロータ:S120NT形ネオアングルロータ
チューブ:2PAシールチューブ
試料:K562(ヒト慢性骨髄性白血病細胞由来の細胞株)
回転速度:120,000rpm
温度:15℃
加速モード:「5」
減速モード:「7」
運転方法:ノーマルモード運転



表1. 各遠心時間におけるRNA収量(μg)

細胞数(個) 遠心時間 Control*)
90分 60分 30分 15分
5×106 - - 41 - 133
1×107 191 266 188 0 167
5×107 - - 1063 - 767

*)Control:S55S形小形超遠心機用スイングロータでの55,000rpm、5時間、15℃での分離結果



分離条件

(1) 遠心分離条件

ロータ 回転速度 遠心時間 温度 加速モード 減速モード
S120NT
ネオアングルロータ
120,000rpm 90分、60分、30分、15分 15ºC 5 7

(2) 使用チューブ

2PAシールチューブ


(3) 試料調製法


注)細胞処理液を塩化セシウムのクッション液の上に重層する手順は次の通りです。
1. 2PAシールチューブにGTC液で細胞を処理した液を約0.6ml入れる。
2. 右図に示すようにして、1.2mlの5.7M CsClをチューブの底から細胞処理液を押し上げるように静かに入れる。
3. この時、エアーを入れないように注意する。
4. チューブに液が満たされない時には、上からGTC液を加えチューブを満たす。
5. STF-1形チューブシーラで密封する。

結論

表1に示した結果より、S120NT形ネオアングルロータを用いると、細胞数が1×107個程度以上ある時には120,000rpm、30分程度の遠心でtotal-RNAの分離が可能であることが示されたものと考えられます。
なお、RNAの収量は分光光度計を用い260nmの吸光度より求めました。