himac APPLICATION
No.96 OCTOBER 1999
  • 機種:CR-F/Gシリーズ高速冷却遠心機
  • 最高回転速度10,000rpmのマイクロプレートロ―夕に384穴プレートを用いたPCR産物の精製

従来、高速冷却遠心機に使用できるマイクロプレートロータは、最高回転速度5,700rpm、最大遠心加速度5,010xgのR6S形スイングロータが最高スペックのロータでした。
しかし、この度、最高回転速度10,000rpm、最大遠心加速度13,000xg、マイクロプレートが同時に4枚まで使用できるR10H形ホリゾンタルロータが開発されました。従来のスイングロータに比べ約2.6倍の遠心加速度が得られるため、微量液量の384穴プレートを用いてPCR産物の精製を遠心で行うことが可能となりました。特に沈殿剤として、精製能力が高いポリエチレングリコール(PEG)を使用した際には溶液の粘度が高くなるため、このような高遠心加速度のロータが有用です。また、384穴プレートだけではなく、ポリプロピレン(P.P.)製のプレートならば、96穴でも使用可能ですが、96穴のPCRプレートの場合はアダプターとしてフナコシ(株)が扱っている「0.2ml PCR Tube Rack」(商品番号:LP0351-0x)(xは0〜5までありラックの色による違いです。)を使用して下さい。

操作手順

パーキンエルマー社製9700形PCR装置用384穴プレート使用


  • (1)
  • 1ウェルあたり、PCR後の試料10μlに沈殿剤*110μlを加える。
  • (2)
  • PCR用シートを貼る。
  • (3)
  • 振とう器等で十分にMixする。
  • (4)
  • R10Hロータにプレートをセットする。
  • (5)
  • 回転速度10,000rpm、10分、4℃、加速「9」、減速「9」で遠心する。
  • (6)
  • プレートをロータから一旦取り出す。
  • (7)
  • R10Hロータの壁面にペーパー(キムタオルなど)を敷く。
  • (8)
  • 遠心後のプレートからPCR用シートをはがし、プレートを裏返しにセットする。
  • (9)
  • 回転速度のみ1,000rpmに設定しなおし、スタート後、回転速度表示が300rpmを超えたら即座にSTOPボタンを押す。
  • (10)
  • プレートをロータから取り出す。

*1:沈殿斉J:20%PEG6000,2.5M NaCl、またはイソプロパノールなど

解説

384穴プレートを用いた遠心操作は試料量が少ないため、十分な遠心加速度が得られないとロス分が多くなり実用的ではない、といわれていました。
しかし、最高回転速度10,000rpm、最大遠心加速度13,000xgのR10Hロータが開発され、この問題が大きく改良されました。また、遠心処理後の上清の除去に、プレートを逆さにしロータを低速で回転することにより行うことで非常に簡便な処理ができます。試業等の分注には12連あるいは8連のピペットが必要ですが、上清の除去は遠心法により容易に行えます。
同様にして70%エタノールでの洗浄も行うことができます。
特に、384穴プレートを使用するハイスループット処理では迅速で安価な多試料処理法の確立が必須であり、この要望に応えることのできるロータです。


PCR産物をR10Hロータで精製し電気泳動した結果です。
(本結果は、(財)かずさDNA研究所 構造解析室 小谷博一室長からご提供頂きました)