himac APPLICATION
No.80 MARCH 1997
  • 機種:CS150GX形分離用小形超遠心機
  • S150AT形アングルロータによるプラスミドDNAの分離

塩化セシウムの均一濃度液と臭化エチジウムを用いて大腸菌のプラスミドDNAを分離する場合、チューブ容量約2mlのアングルロータでは、最低3.5時間以上の遠心が必要でした。1)2)3)しかし、最近最高回転速度150,000rpm、最大遠心加速度901,000×gのアングルロータが開発されるに至り、2.5時間での分離が可能となりました。
一般にアングルロータの場合、高速回転すれば分離時間は短くなるものの、塩化セシウムの結晶析出が発生したり、閉環状DNAと鎖状DNAの2本のバンドが接近しすぎるといった問題がありました。
そこで、CS150GXの多段ステップモード運転機能を用いて、塩化セシウムの結晶が析出する前に高速回転から回転速度を徐々に減じるプログラム運転を行った結果、結晶析出もなく、また、回転速度を減じることによる2本のバンドの接近をある程度阻止できる効果も加わって、プラスミドDNAの迅速分離ができました。

分離結果

ロータ:S150AT形アングルロータ
チューブ:2PAシールチューブ
運転方法:自動ステップモード運転

分離条件

(1) 遠心分離条件

ロータ 回転速度 遠心時間 温度 加速モード 減速モード
S150AT
アングルロータ
5段ステップモード運転 合計2.5時間 20ºC 9 7

(2) 使用チューブ

2PAシールチューブ

(3) 試料調製法

プラスミドpUC19DNAなどのプラスミドDNAを含む大腸菌JM109を一夜振盪培養後、アルカリ−SDS法などにより得られたプラスミドDNAを含むTE溶液(10mM Tris−HCl, 1mM EDTA, pH8.0)を試料としました。
2PAシールチューブ1本あたり。
・試料:1.4ml。
・塩化セシウム:1.35g。
・臭化エチジウム(10mg/ml):40μl

以上を混合しシールチューブに注入します。チューブが満たされない場合には、あらかじめ作成しておいた補充液(TE緩衝液1mlあたり塩化セシウム1gを溶解したもの)を加えチューブを満たします。その後、STF−1形チューブシーラにて溶着し密封します。

  • (参考文献)
  • 1) himac APPLICATION No.12.
  • 2) himac APPLICATION No.13.
  • 3) himac APPLICATION No.22.