himac APPLICATION
No.79 MARCH 1997
  • 機種:小形超遠心機用S100AT6アングルロータ
  • 小形超遠心機用S100AT6アングルロータを用いて株化細胞UT-7からRNAを抽出し、Northern法により
    細胞周期関連<タンパク質;p21の遺伝子発現を検出した例

従来、RNAの分離はスイングロータを用いて、一晩(約20時間)程度超遠心分離する手法が一般的でした。
これに対し、ロータの高回転化やアングル及びネオアングルロータの応用により、遠心時間を最短1.5時間まで短縮した分離条件を示してきました1)
しかしながら、この分離にはシールチューブを使用する必要があり、チューブのシーリングや遠心後の上清の除去、RNAの回収等において作業性が悪いという問題がありました。そこで、今回は作業性の良いオープントップチューブを用いた迅速分離の検討を行いました。
なお、チューブ容量は5×106個程度の細胞の処理に適当な、実容量3.4mlの4PAチューブ(S100AT6アングルロータ用)を用いました。
さらにここでは、分離したRNAを用いて、cyclin dependent kinaseのinhibitorであり細胞周期や細胞分化との関連が明らかになっているタンパク質p212,3)の遺伝子発現をNorthern法により検出し、従来のスイングロータにより分離したRNAと同様に実験に使用できることを示しました。

1. 実験結果

(1) サンプル:巨核芽球性白血病由来株化細胞UT-74)

(2) 遠心条件

ロータ 回転速度 遠心時間 温度 加速モード 減速モード
S100AT6
アングルロータ
80,000rpm 5.5時間 15ºC 5 7

(3) 電気泳動結果

RNA15μgを使用し、1.0% Agarose−Formaldehyde gel
電気泳動を約16時間行いました。(図1)

(4) Northern法によるp21遺伝子発現の検出5, 6)

32P-dCTPでラベルしたp21 cDNA プローブと共に約16時間Hybridizeさせました。(図2)



2. RNA超遠心分離手法

(1) Cell pellet(5〜10×106 cells)
    ↓  ←Lysate 4M GTC sol 2.2ml
(2) 5.7M CsCl 1.lml 上に重層(4PAアツチューブ)
(3) 超遠心分離
    ↓  ←Dissolve 150μl ETS buffer×3
(4) エタノール沈殿
(5) Dissolve l0〜20μl DEPC'd DDW


本実験は自治医科大学・血液学教室及び血液学研究部門・造血発生教室との共同研究によるものであり、この応用例が以下に報告されています5, 6)

  • (参考文献)
  • 1) HIMAC APPLICATION No. 55(1993).
  • 2) Steinman R. A., et al., 0ncogene, 9, 3389(1994).
  • 3) Helevy O., et a1., Science, 267, 1018(1995).
  • 4) Komatsu N., et al., Cancer Res., 51, 341(1991).
  • 5) 菊池次郎ほか、第58回日本血液学会抄録集(1996).
  • 6) Kikuchi J., Furukawa Y., et al., Blood, 89, 3980(1997).