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No.78 MARCH 1997
  • 超遠心法により分離したRNAは溶媒抽出法により分離したRNAに比べDNA等不純物の混入や非特異的反応が少ないことを示した例

従来、RNAの分離はスイングロータを用いて、一晩(約20時間)程度超遠心分離する手法が一般的でした。
これに対し、近年はAGPC法に代表されるような溶媒抽出法によるRNA分離1)が、その手法の簡便さから浸透しつつあります2)
今回は同一の株化細胞を用いて、両方法によりRNA分離を行い電気泳動及びNorthern法により、特にその純度について両者の比較検討を行いました。

1. 実験結果

(1) サンプル:急性前骨髄性白血病由来株化細胞HL−603)

(2) 電気泳動結果

OD260測定値をもとにRNA15μgを使用し、1.0% Agarose−Formaldehyde gel電気泳動を約16時間行いました。(図1)

(3) Northern法によるcdc2遺伝子発現の検出4)

32P-dCTPでラベルしたcdc2 cDNA プローブと共に約16時間Hybridizeさせました。(図2)

2. 考察

電気泳動による結果から、超遠心により得られたRNAにはホール部に混入したDNAが見られず、またリボゾームRNAなどの泳動像もはっきりと観察できました。さらにNorthern法によるcdc2遺伝子発現の検出でも非特異的反応が少ないことが確認できました。このように超遠心法により得られたRNAは、純度も高く、Northern法やRT−PCR法等において有効であると思われます。

3. RNA超遠心分離手法

(1) Cell pellet(5〜10×106 cells)
    ↓  ←Lysate 4M GTC sol 2.2ml
(2) 5.7M CsCl 1.1ml 上に重層(4PAアツチューブ)
(3) 超遠心分離
    ↓  ←Dissolve 150μl ETS buffer×3
(4) エタノール沈殿
(5) Dissolve l0〜20μl DEPC'd DDW


本実験は自治医科大学・血液学研究部門・造血発生教室との共同研究によるものです。。

  • (参考文献)
  • 1) Chomczynski P., et al., Anal. Biochem., 162, 156(1987).
  • 2) 辻孝, 中村敏一, 実験医学, 9, 1937(1991).
  • 3) Collins S. J, et al., Nature, 270, 347(1977).
  • 4) Furukawa Y., et al., Science, 250, 805(1990).